アクセス解析ツールの中で最も使われていると言っても過言ではない「Googleアナリティクス」。自社でサイトを運営するのであれば、Googleアナリティクスの見方は知っておきたいところです。
しかし、専門的なツールであるため、見方がよくわからない…と感じている人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、初心者向けにGoogleアナリティクスの基本的な見方をご説明いたします。
Googleアナリティクスとは
Googleアナリティクスとは、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。
Googleアナリティクスは無料版と有料版がありますが、無料版でも分析に必要な機能は十分そろっていますので、初心者の方は無料版で問題ありません。
有料版(Googleアナリティクス360)は、無料版に比べて扱うデータ数が増えたり、更新頻度が上がったりするので、より高度な分析を行いたい人向けです。
アナリティクスでできること
サイトを訪れたユーザーの情報がわかる
Googleアナリティクスでは、自社サイトにアクセスした人の年代、性別、地域、興味関心と言った情報を見ることができます。
ユーザーがどのような経路で来たのかがわかる
Googleアナリティクスは、サイトに訪れる前のユーザーの行動を調べることができます。具体的には、どのような経路でサイトにアクセスしたのかということです。
検索窓にキーワードを入れ、表示された検索結果の中から自社のサイトを選んでアクセスしたのか、それとも自社で運用しているSNSからアクセスしたのか、などがわかります。
ページの良し悪しがわかる
サイトに掲載されているたくさんのページの中で、パフォーマンスの良いページ、悪いページは把握しておきたいですよね。
Googleアナリティクスなら、ユーザーによく見られているページや離脱率・直帰率が高いページを調べることができます。
ユーザーがコンバージョンしたかがわかる
多くのサイトでは、資料請求や商品購入、見積作成依頼、お問合せなど最終目標となるコンバージョンを設定していますよね。
Googleアナリティクスでは、サイトに訪れたユーザーがアクセスしただけではなく、コンバージョンまで至ったのかということも調べることができます。
それだけではなく、コンバージョンに至ったユーザーがどのような行動をとっていたのか、逆にコンバージョンに至らなかったユーザーはどこで離脱してしまったのか、というとこも分析することが可能です。
アナリティクスでよく使用する用語
ユニークユーザー(UU)
ユニークユーザーは、1週間や1か月など特定の期間内にサイトを訪れたユーザーの数です。
過去1週間にユーザーA、ユーザーB、ユーザーCがアクセスした場合、ユニークユーザーは3となります。
ユニークユーザーはあくまでもユーザーの数をカウントしますので、1週間でユーザーAが4回、ユーザーBが2回、ユーザーCが6回サイトにアクセスしていたとしても、ユニークユーザーは3のままです。
セッション数
セッション数は、ユーザーがサイトを訪問した回数のことで、「訪問数」と呼ばれることもあります。
ユーザーがサイトを訪れてから、離脱するまでを1セッションとして計測します。
セッション数に関しては以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:https://www.efo-cube.info/article/session/
ページビュー数(PV数)
ページビュー数はサイト内で読まれたページの数のことで、アクセス数もしくは閲覧数と言われることもあります。
たとえば、ユーザーがあるサイトのページAを見た後にページBも見て離脱した場合、ページビュー数は2になります。
もし、ページBを見た後に、ブラウザの戻るボタンを押してもう一度ページAを見た場合、ページビュー数は3になります。
ページ/セッション
ページ/セッションは、ユーザーが1回の訪問(1セッション中)でどれだけのページにアクセスしたかを表したものです。
平均セッション時間
平均セッション時間は、ユーザーが1回の訪問で平均的にどのくらいサイトに滞在したかを表したものです。
新規セッション率
新規セッション率は、サイトに初めて訪れたユーザーのセッションの割合のことです。
新規セッション÷総セッション数で求めることができます。
直帰率
直帰率というのは、全体のセッションのうち、最初の1ページだけ閲覧してサイトを離れてしまったセッションの割合です。
離脱率
離脱率は、特定のページの全セッションのうち、そのページが最後の閲覧ページになった割合です。
アナリティクスで見るべき4つの項目
ユーザー
概要(サマリー)
概要部分では、ユニークユーザー数、セッション数、ページビュー数、ページ/セッション、平均セッション時間など基本的な情報が網羅されており、ユーザーの訪問状況をざっくりと把握することが可能です。
セッション数やページビュー数といった指標はページの改善点を見つける上で非常に重要なものですので、ユーザーサマリーはできる限り毎日チェックしておきましょう。
また、集計期間を変更することができますので、過去のデータと見比べて、訪問状況がどう変化しているかも確認するようにしましょう。過去に比べて訪問状況が悪くなっている場合は、早急に施策を打ち直す必要があります。
ユーザー属性
サマリー部分では、どれくらいのユーザーがどのくらいの回数訪れているか、などがわかりますが、どのようなユーザーがサイトに訪れたのか、ということは確認することができません。
ユーザーに関する詳しい情報を知りたい場合は、「ユーザー属性」を確認しましょう。ユーザー属性をクリックすると「概要」「年齢」「性別」という3つの項目がありますので、ユーザーの年齢層を知りたい場合は「年齢」を、男女比を知りたい場合は「性別」を選択してください。概要は年齢と性別の傾向が簡単なグラフで表されているので、じっくり分析できないときに便利です。
サイトを訪れたユーザーに関する詳しい情報が把握できると、どのようなコンテンツを掲載すべきか、ということが見えてくるので、次に作成するコンテンツのテーマや内容が考えやすくなります。
また、ユーザーのニーズにあったコンテンツを掲載していければ、それだけユーザーの満足度を上げることにもつながりますので、どのようなユーザーがサイトを訪れているのか、ということはこまめにチェックしておいてください。
モバイル
ユーザーという大きな項目の中には「モバイル」というものがあり、ユーザーが使用しているデバイスを調べることができます。
desktop(PC)、mobile(スマートフォン)、tablet(タブレット端末)の3つのカテゴリがあり、デバイスごとのセッション数や新規セッション率、直帰率、平均セッション時間などを確認することが可能です。
PCとスマートフォンでは、サイトの見え方はもちろん、改善する際の方針も大きく変わってきてしまいます。
そのため、サイトを運営するのであれば、ユーザーのデバイス情報は必ず把握しておきましょう。
集客
概要(サマリー)
集客サマリーでは、自社サイトの集客情報を大まかに把握することができます。
具体的には、自社サイトにアクセスしたユーザーの流入経路の内訳が円グラフで示されていたり、流入チャネルごとのユーザーの行動(ページセッション、平均セッション時間)やコンバージョン率が表示されます。
すべてのトラフィック
集客サマリーでもユーザーの流入経路はある程度わかりますが、より詳細な情報を知りたい場合には、「参照元/メディア」を確認してみましょう。
「参照元/メディア」は、集客の中にある「すべてのトラフィック」という項目を選択すると、見ることができます。
「参照元/メディア」では、具体的な流入元のサイト・ページおよび流入元の種類を調べることができます。
たとえば、「Google/organic」というのは、Googleの自然検索による流入、「facebook /display」はフェイスブックのディスプレイ広告による流入を表しています。
こうした流入元の把握は、サイトのアクセス数を増やすために行っている施策が成功しているのか、それともあまり意味をなしていないのかを知る上で非常に重要です。
SEO対策に力を入れているはずなのに、自然検索からの流入が増えない場合には、今行っているSEO対策を見直す必要があります。
また、訪問数こそ少ないものの、コンバージョン率が高い流入元があれば、その流入元からの誘導を強化するような施策が必要であることもわかります。
たとえば、自然検索に比べると、ディスプレイ広告からの流入は少ないが、コンバージョン率は高い、ということであれば、ディスプレイ広告の出稿数を増やすことでさらにコンバージョン数を増やせる可能性があります。
行動
概要(サマリー)
行動サマリーでは、サイトのページビュー数(PV数)、ページ別訪問数、直帰率、平均ページ滞在時間、離脱率の推移を見ることができます。
行動フロー
行動フローでは、サイトを訪れたユーザーが、最初にどのページを見て、次にどのページに移ったかというユーザーの行動を追うことができます。
この行動フローを確認することによって、サイトの導線設計がうまくいっているのかどうかを調べることができます。
サイトに訪れたユーザーの多くが、コンバージョンページにたどり着いていれば良いですが、コンバージョンページにたどり着く前に離脱している場合は、導線設計やコンバージョンページに導くためのバナーなどに問題があるかもしれないので、早急に対策を行いましょう。
サイトコンテンツ
行動の中にある「サイトコンテンツ」という項目は「すべてのページ」「ディレクトリ」「ランディングページ」「離脱ページ」の4つの小項目で構成されています。
「すべてのページ」では、サイトに掲載されている全ページの平均ページ滞在時間、閲覧開始数、直帰率、離脱率などを見ることができます。
PV数が多い順にページは並んでいるので、どのページがよく見られているのか、ということもわかります。
「ディレクトリ」はディレクトリごとの平均ページ滞在時間、直帰率、離脱率などを見ることができます。
サイト分析でよく使われる「ランディングページ」では、ユーザーが最初に見たページ、つまり入り口を調べることができます。サイトに訪れるユーザーはどこから入ってくることが多いのかを調べることで、どのページから施策を行っていけば良いのかがわかります。
特にランディングページの直帰率が高い場合は、優先的に改善を行いましょう。
コンバージョン
目標概要
コンバージョンの目標サマリーでは、あらかじめ設定しておいたコンバージョンの達成数の推移を見ることができます。
コンバージョンを設定しているサイトの場合、サイトの最終的な目的はコンバージョン数を増やすことですので、目標サマリーは毎日確認しておきましょう。
まとめ
今回は初心者向けに、Googleアナリティクスの最低限見ておくべき項目をご紹介しました。
アナリティクスでは、ユニークユーザーやセッション数、ページビュー数など専門的な用語も出てきますので、最初は使いこなすのが難しいと思います。
ただ、アナリティクスはどんなユーザーが、どこからサイトにアクセスして、どのページを見たのか、またどれだけコンバージョンしたのか、と言ったサイトを運営する上では欠かせない情報を細かく見ることができますので、少しずつ使い方を覚えていきましょう。