直帰率とは?改善方法と調査方法について

Googleアナリティクスのレポートにある「直帰率」を見れば、ユーザーが1ページのみ閲覧して離脱した割合を確認することができます。
直帰率が高いページは何かしら問題がある可能性もあるので、必要に応じて改善しなければなりません。

では、どのように直帰率を改善すれば良いのでしょうか?以下では、直帰率の調査方法に加え、改善方法もご紹介いたします。

直帰率とは?

直帰率とは、Webサイトを訪問したユーザーが他のページに遷移することなく離脱した割合のことです。直帰はユーザーが1ページだけを閲覧してサイトを去ってしまうことですので、他のページに遷移した場合は直帰にはなりません。

直帰率=直帰数÷セッション数×100の計算式で求められます。

計算式のなかにある「セッション」とは、ユーザーがWebサイトを訪問してから離脱するまでの一連の行動のことです。

例えば、あるページへのセッション数が100、直帰数が80だった場合、直帰率は以下のように求めます。

直帰数80÷セッション数100×100=80%

離脱率との違い

直帰率と混同されやすいのが「離脱率」です。

離脱率はユーザーがそのページで離脱した回数の割合のことで、離脱率=そのページの離脱数÷そのページ全体のPV数×100の計算式で求められます。

つまり、離脱率はユーザーがそのページで離脱した割合を示しますが、直帰率は最初に訪問したページで離脱した割合を示します。

直帰率の目安はある?

直帰率が低いとページの改善が必要になることがあるため、直帰率を気にする方は多いことでしょう。しかし、直帰率の目安が分からなければ、自分のサイトの直帰率が低いのか高いのか、それとも平均的なのか分かりません。

以下では、直帰率の一般的な目安をご紹介します。

【流入別の直帰率の目安】

オーガニックからの流入 約43%
ディスプレイ広告からの流入 約56%
リスティング広告からの流入 約44%

【Webサイト別の直帰率の目安】

BtoB 約25〜55%
BtoC・EC 約20~45%
LP 約60~90%
ブログ 約65~90%

引用:customedialabs
引用:cxl

上記のように、直帰率の目安は流入元やWebサイト・ページの特性、内容によって異なります。

直帰率が高くなる要因

ユーザーニーズのギャップ

ユーザーが求めていた情報とコンテンツの内容にギャップがある場合、直帰率は高くなります。

ユーザーは何かしらの情報を求めて検索エンジンにキーワードを入力してコンテンツを探します。そのため、訪問したサイトに自分のニーズを満たす内容が載っていない場合、直帰してしまうのです。

一般的にビッグワードになるほどユーザーの検索意図が分かりにくく、スモールワードになるほどユーザーの検索意図が分かりやすくなります。

コンテンツの長さ

ユーザーの求める情報量とコンテンツの情報量が見合っていない場合も、直帰率は高くなります。注意したいのは、最適なコンテンツの長さはユーザーニーズによって異なるということです。

ユーザーが「この情報を詳しく知りたい」と思っている場合にはコンテンツを長くして情報量を多くしなければいけません。一方、ユーザーが「この情報について簡潔に知りたい」と思っている場合にはコンテンツを短くして情報をコンパクトにまとめる必要があります。

不適切な導線

不適切な導線が設置されていたり、導線が設置されていないと直帰率が高まります。
ユーザーのニーズに合わない不適切な導線が設置されていた場合や、そもそも導線が設置されていない場合は離脱する可能性が高くなります。

不適切な導線には、以下のようなものが挙げられます。

  • リンクが分かりにくい場所に設置されている
  • デザインのせいでリンクが分かりにくくなっている
  • ユーザーが求めていないコンテンツのリンクが設置されている

たとえユーザーがコンテンツを最後まで読み進めても、適切な導線が設置されていなければ直帰してしまいますので注意が必要です。

ページスピード

Webページを読み込むのに時間がかかることはユーザーにとって非常にストレスになるため、ページの表示速度が遅いとユーザーの直帰率は高まります。

ページの表示速度が長くなるほど離脱率は高くなります。さらに言うと、3秒を超えると一気に直帰率が増えることが分かっています。

UI

WebサイトのUIに問題があればユーザーはストレスを感じ、直帰率が高まります。

UIとは「ユーザーインターフェイス」の略で、「ユーザーとの接点」のことです。簡単に言えば、Webサイト内でユーザーが目に入れる部分すべてがUIということになります。UIが優れていれば、ユーザーはストレスなくサイトを閲覧することができます。

分かりやすく例を挙げると、以下のようなものはユーザーに優しいUI設計と言えるでしょう。

  • モバイルフレンドリーに対応している
  • コンテンツがカテゴリー分けされていて、情報が見つけやすい
  • 動画・音声が自動再生されない
  • ポップアップが少ない
  • 分かりやすい位置に検索ボックスが設置されている
  • ページの表示速度が速い

デザイン

サイトのデザインは直帰率を左右する要素です。

たとえ情報の質が高かったとしても、デザインの印象が悪いとユーザーに読み進めてもらうことは難しくなります。

レイアウトデザインや色、フォントなどを改善し、ユーザーがページを閲覧しやすいデザインにしましょう。

1ページでユーザーが満足している

1ページにユーザーのニーズを満たせるほどの情報量が載っている場合、ユーザーは満足して直帰します。このような要因で直帰率が高くなっていれば、そのコンテンツはユーザーにとって有益なコンテンツと言えます。

そのため、「よくある質問ページ」、「商品・サービスのサポートページ」などで直帰率が高い場合はユーザーが満足して離脱したと考えられますので、直帰率が悪くても心配いりません。

直帰率の調査方法

直帰率の調査にはGoogleアナリティクスを活用します。

基本的な確認方法

Googleアナリティクスの「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」

基本的にはランディングページごとに直帰率を確認します。

一定のレポート期間を選択し、ランディングページごとに直帰率をチェックしてください。「直帰率」の列をクリックすれば、直帰率の昇順、降順でランディングページを並び替えることができます。
また、「並べ替えの種類」で「加重」を選択すると、セッションが多くて直帰率が高いページ順に並び替えられますので、優先的に改善した方が良いページが一目で分かります。

デバイス別

Googleアナリティクスの「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」>「セカンダリディメンション」>「ユーザー」>「デバイスカテゴリ」

デバイスごとに直帰率を確認したい場合は、「セカンダリディメンション」から「デバイスカテゴリ」にチェックを入れてください。
「デバイスカテゴリ」の列をクリックすれば、デバイス別に直帰率が表示されます。

ユーザーニーズのギャップ

Googleアナリティクスの「集客」>「概要」>「Organic Search」>「プライマリ ディメンション:ランディングページ」>Google Search Consoleでページにヒットしているキーワードを確認

ページの内容とユーザーニーズにギャップがないか確認したい場合は、Googleアナリティクスで直帰率の高いランディングページを確認した後、Google Search Consoleで、そのページにヒットしているキーワードを確認します。ヒットしているキーワードからユーザーニーズを掴み、コンテンツの内容とギャップがないか調査しましょう。

新規とリピーター

Googleアナリティクスの「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」>「セカンダリディメンション」>「ユーザー」>「ユーザータイプ」

ユーザータイプごとに直帰率を確認したい場合は、「セカンダリディメンション」から「ユーザータイプ」にチェックを入れてください。
「ユーザータイプ」の列をクリックすれば、新規、リピーター別に直帰率が表示されます。

リピーターで直帰率が高いページは要確認です。

直帰率を改善する方法

コンテンツの見直し

ページを訪問するユーザーのニーズに沿ってコンテンツを見直します。
ユーザーニーズを満たすコンテンツにすることで直帰率の改善が期待できるほか、ユーザーに有益なコンテンツはGoogleから評価されるため、検索結果で上位表示されやすくなります。
ユーザーの検索意図を踏まえ、ユーザーニーズを満たすコンテンツにしましょう。タイトルやディスクリプションがユーザーの興味を引くものになっているかも確認するようにしてくださいね。

CTAの見直し

ボタンを目立つようにする、適切な位置に設置するなどCTAを見直すことで、直帰率の改善が期待できます。
特に、1ページでユーザーが満足していて直帰率が高い場合、CTAを見直してユーザーに「問い合わせ」や「資料請求」などの行動を促すことが大切です。

内部リンクの調整

ユーザーが他のページに飛べるよう、内部リンクを調整します。
コンテンツを最後まで読み進めた場合、「次にユーザーが知りたいと思う情報は何か?」を考えて適切な内部リンクを設置するようにしてください。

また、内部リンクを設置する位置も適切か確認するようにしましょう。

モバイルフレンドリー

一昔前まではパソコンから検索するユーザーが多かったのですが、今ではスマートフォンから検索するユーザーが多数派です。
そのため、ユーザーがスマートフォンからページへアクセスした時でも見やすいように、モバイルフレンドリーに対応している必要があります。

サイトがモバイルフレンドリーに対応しているかは、Google Search Consoleの「モバイルユーザビリティー」、「モバイルフレンドリーテスト」、「PageSpeed Insights」などで確認することができます。

ページスピード

ページスピードが遅いほど離脱率は高くなりますので、ページスピードの改善や、モバイルページを高速表示させるための「AMP」の設定を検討しましょう。

Google Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」機能でページスピードを確認し、必要に応じてページスピードを改善させましょう。

Googleが無料で提供している「PageSpeed Insights」では、ページスピードを確認したいページのURLを入力するだけでページスピードや改善のポイントが分かります。ぜひ活用してください。

まとめ

せっかくユーザーがサイトに訪問してくれても、直帰率が高くては、なかなかコンバージョンに繋がりません。
成果を上げるためには、流入したユーザーの直帰率を下げることが重要です。今回ご紹介した通り、直帰率が高まる要因には様々なものがあります。ページの直帰率が高い原因を分析して、改善するようにしましょう。

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