今やどの企業も自社のサイトを持っていますが、サイト分析はしっかり行っているでしょうか。
サイト分析を行わないと、どこに問題があるのかがわからないため、効果的な施策を打ち出すこともできません。
サイトを作ったはいいものの、なかなかコンバージョンにつながらない、などの課題がある場合は、今回紹介するようなアクセス解析ツールを使って分析してみましょう。
目次
アクセス解析でわかること
サイトの現状
アクセス解析ツールを使うと、以下のようなデータを見ることができます。
- ・行動データ(ユーザーはどこからきたのか、どのページを見たのか、どこで離脱したのかなど)
- ・属性データ(ユーザーの年齢層はどのくらいなのか、ユーザーは女性なのか男性なのか、ユーザーは何に興味をもっているのか)
- ・デバイスデータ(ユーザーは何からサイトにアクセスしているのか)
こういったデータから、「自社のサイトに訪れるユーザーは40~50代のビジネスパーソンが中心で、ディスプレイ広告からの流入が多い、」「多くのユーザーが特定のページで離脱している」というようにサイトの現状を把握することができます。
施策の効果
アクセス解析を行えば、打ち出した施策の効果を測定することもできます。
たとえば、属性データを見て、訪れてほしいターゲットを明確にし、そのターゲットに向けた新たな広告を出稿したとします。
アクセス解析ツールでは、流入元も確認することができるので、実際に出稿した広告からの流入があったかどうかも調べることができます。
施策は打ち出して終わりではなく、しっかりと効果が得られないと意味がないので、アクセス解析ツールで施策の効果検証を行うことは非常に重要です。
アクセス解析ツールの選び方
ツールの種類
アクセス解析ツールには、サーバログ型、パケットキャプチャ型、Webビーコン型の3種類があります。
サーバログ型
サーバログ型は、Webサーバ上に記録されたアクセスログファイルをもとに解析を行うものです。
サーバログ型の大きなメリットとしては、Webサイトに手を加えることなくアクセス解析ツールを設置できるので、手軽に導入することができます。
一方で、1日1回しか解析が行われないものが多いので、リアルタイムな解析を行うことができないというデメリットがあります。
Webビーコン型
Webビーコン型は、HTML内に埋め込まれた計測用のJavaScriptタグによってアクセスデータを取得します。
代表的なアクセス解析ツールであるGoogleアナリティクスもWebビーコン型です。
Webビーコン型のメリットは、取得できるデータ量が多いので、より精度の高い分析が可能です。
デメリットとしては、計測するためにはタグが必要になるので、分析したいページすべてにタグを埋め込む作業が発生します。
また、適切なタグが埋め込まれていなかったり、タグを入れ忘れたりすると、解析に支障が出てしまうので注意が必要です。
パケットキャプチャ型
パケットキャプチャ型は、ユーザーとサーバの間でやり取りされるデータ(=パケット)を取得し、解析するものです。
サイトにもサーバにも負荷があまりかからないので、大量のアクセスがあるようなサイトでも問題なくアクセス解析を行うことができます。
ただし、パケットキャプチャ型は専用の解析サーバを導入しなければなりません。
そのため、サーバログ型やWebビーコン型に比べると導入コストが高くなる傾向にあります。
それぞれメリットデメリットがありますので、特徴を比較した上で、最適なものを選ぶようにしましょう。
機能
ツールによって備わっている機能が異なりますので、必要な機能がそろっているものを選ぶようにしましょう。
選定をスムーズにするためには、アクセス解析ツールで具体的に何をしたいのか、ということを明確にしておくことが大切です。
使いやすさ
アクセス解析ツールは長期にわたって利用するものなので、使いやすさも重視したいところです。
特に複数人で利用する場合には、だれもがわかりやすいような、シンプルな操作性が求められます。
可能であれば、導入を検討しているツールのデモ画面を触ってみることをおすすめします。
また、導入後に不具合や操作についての不明点があった場合に、すぐに相談できるような環境が整っているかも忘れずに確認しましょう。
コスト
ツールを選ぶ際、どうしても機能面に目が行きがちなのですが、ツールを導入する際に必要な費用や継続利用するためにかかる費用がプロジェクト規模に合っているかもしっかり確認した上で選ぶようにしてください。
ツール導入後に後悔しないためにも、まずは自社でどのくらいまでならツールに費用をかけられそうか見積もりましょう。
その見積もりの範囲内で使えるツールをピックアップし、ピックアップした中から優先順位の高い機能が多くそろっているものを選べば、コストと機能のバランスが良いツールを選ぶことができると思います。
無料のアクセス解析ツール
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスでは、サイトへの集客測定や流入元の解析ができるほか、サイトにアクセスしたユーザーの属性やサイト内でどのような行動を取っていたのか、なども調べることができます。
GoogleアナリティクスはGoogleアカウントさえ持っていれば、だれでも無料で使うことが可能です。
無料でありながら、機能は充実していますので、最初に導入すべきツールとしておすすめです。
また、Google広告とデータ連携が可能なので、Google広告を運用している企業にもおすすめです。
Google Search Console
https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
GoogleSearch Consoleは、Googleアナリティクスと違って、ユーザーがサイトに訪れる前の情報(どのようなキーワードで検索したかなど)を解析することができます。
Search Consoleの特徴として、分析だけではなくインデックス登録のリクエストやサイトマップの送信など施策も行うこともできます。
また、GoogleSearch Consoleは、Googleアナリティクスと連携することが可能です。
連携すれば、一つのレポートで両方の指標を見ることができるので、アナリティクスとあわせてより立体的な分析を行いたい方におすすめです。
Similar Web
SimilarWebは、通常のアクセス解析に加え、競合分析まで行うことができるので、明確なライバルサイトがあるのであれば、SimilarWebがおすすめです。
SimilarWebには無料版と有料版がありますが、無料版でも十分使うことができます。
有料のアクセス解析ツール
Googleアナリティクス360
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics-360/
Googleアナリティクス360は、無料版のアナリティクスに比べると、処理できるデータの量や更新頻度などに違いがあります。
下記の表は、アナリティクス360とアナリティクス(無料版)を比較したものです。
アナリティクス360 | アナリティクス(無料版) | |
---|---|---|
ヒット数の上限 | 20億 | 1000万 |
カスタムディメンションの上限 | 200個 | 20個 |
レポート反映時間 | 4時間以内 | 24時間以内 |
無料版でも十分解析は可能ですが、大規模なサイトの分析を行いたい、より高度な分析をしたいという方には、有料版であるアナリティクス360がおすすめです。
Adobe Analytics
https://business.adobe.com/jp/products/analytics/adobe-analytics.html
AdobeAnalyticsはPhotoshopやillustratorなどでおなじみのAdobeが提供している解析ツールです。
ページ別の閲覧回数やアクセス元のデバイスタイプ、OS情報などを調べることが可能です。
大量のデータ分析が可能なので、大規模なWebサイトでも導入されています。
多機能でカスタマイズ性が高いので、アクセス解析ツールを使い慣れている方には便利ですが、初心者には使いこなすのが少々難しいかもしれません。
Ptengine
Ptengineは、アクセス解析機能だけでなく、ヒートマップ機能も兼ね備えたツールです。
ヒートマップ機能がメインではありますが、ユーザーの離脱ポイントや、チャネルごとのユーザーの動きも把握することができます。
無料版と有料版がありますが、無料版は計測可能な月間PV数が3000までなので、本格的に使うのであれば、有料版の方が良いです。
User Insight
User Insightは、アクセス解析に加え、ヒートマップによってユーザーの行動を可視化することができるツールです。
User Insightの特徴としては、リアルタイムでユーザーがアクセスしているコンテンツや閲覧しているデバイスを分析することも可能です。
まとめ
自社サイトをうまく活用するためには、解析ツールによって得られたデータをもとに、現状をしっかり把握し、打ち出した施策の効果を測定することが必要不可欠です。
ただ、アクセス解析ツールと一言でいってもさまざまなものがあるので、機能やコストなどを比較し、より自社に合ったものを選ぶようにしましょう。