マーケティングで最も有名なフレームワークと言われる4P分析と4C分析。2つの違いって何?


マーケティング戦略を立案・実行していくにあたって、どのような商品・サービスをどのように販売し、売れる商品にしていくかを考えることは重要なことになります。
様々なフレームワークがありますが、一般的には3C分析→STP分析→4P分析→実行というサイクルを回していくことが多いです。
今回は、実行する前に最後に行う4P分析と4P分析に大きく関りがある4C分析について解説していきたいと思います。

4P分析とは

4P分析とは、アメリカのマーケティング学者E・J・マッカーシー氏が1960年代に提唱したもので、以下の4つの頭文字を取って、4P分析と呼ばれるようになりました。

Product(製品)
Price(価格)
Place(流通)
Promotion(販売促進)

要するに、どのような製品を、どのような価格で、どのような流通経路を用いて、どのように販売促進をしていくかを企業側の視点から捉えていくものです。

Product(製品)

デザイン・機能・品質・ブランド・パッケージ・サービス・保証などの要素から自社製品の分析をすることです。
顧客ニーズをどのようにして満たしていくのか、顧客がその製品を利用するメリットは何なのか、開発や仕入れはどのようにして行うかなどを考えます。

Price(価格)

製品を製造するためのコストといった内部環境や競合他社の製品の価格といった外部環境から自社製品の適切な販売価格について分析をしていきます。
市場全体から見て適切な価格なのか、顧客が価値を感じる妥当な価格なのか、コストを踏まえて採算が取れるかなどを検討します。

Place(流通)

製品を市場にどのような流通経路を用いるのか、どのような場所で販売するかを分析していきます。コンビニで販売するのか百貨店で販売するのかによって、顧客ニーズも大きく変わっていきます。また、ネット通販のように、受注から販売までをネット上ですべて完結させる方法も選択肢の一つです。
流通は製品のイメージにも大きく関わってきます。例をあげると、1本数万円のワインであっても、コンビニで販売しては製品イメージが著しく低下するということです。

Promotion(販売促進)

どのような方法で製品を販売促進していくのかを分析していきます。
どれほど良い製品を販売していたとしても、顧客に認知してもらわなければ売れることはありません。ターゲットにしている顧客にどのようにして、製品の販売を販売していくのかはとても重要なことです。
若い世代の顧客に対しては、SNSやYouTube広告が有効ですし、主婦層の顧客に対しては、テレビCMや雑誌などの広告が有効になります。
広告の費用対効果をしっかりと検討した上で、自社製品にはどの販売促進があっているのかを十分に分析をする必要があります。

4P分析の成功事例

4P分析が効果的に実行された例として、日本農産工業の「ヨード卵・光」がよく知られています。
ヨード卵・光は、健康に良いヨードが含まれた鶏卵で、一種の健康食品的なとらえ方をされている製品です。
価格は1個当たり50円と、鶏卵としては安くはなく、固定価格です。この価格設定がまず、健康食品としての信頼度を高める要素になっているのです。
しかし、この価格設定のため1976年に発売された当初はスーパーなどで受け入れてもらえませんでした。そこで、小規模の商店などからスタートすることとしたのです。
それに合わせて、販売促進も大規模なテレビCMなどはあまり行わず、商品を1件ずつ回る人的販売に重点が置かれました。
その一方で、大学の医学部などにヨード卵・光の健康効果の研究を依頼し、その研究発表がマスコミなどで取り上げられることによるプル戦略も採用されました。
その結果、当初の価格設定のまま、全国のスーパーやコンビニまで行き渡り、現在に至る息の長いヒット商品になっています。

4C分析とは

1990年代にアメリカの経済学者R・F・ラウターボーン氏が提唱したマーケティング理論で、売り手側の視点で見てきた4P分析とは逆で、買い手側の視点でマーケティング戦略を立てていく考え方です。
4P分析の時と同様に4つの単語の頭文字を取って、4C分析と呼ばれています。

Product→Customer Value(カスタマー・バリュー:顧客にとって価値)
Price →Customer Cost(カスタマー・コスト:顧客が負担する費用)
Place →Convenience(コンビニエンス:顧客にとっての利便性)
Promotion →Communication(顧客とのコミュニケーション)

Customer Value(顧客価値)

タピオカドリンクの品質や量などを重視するだけでは足りません。
顧客が何に価値を感じているのかを考えることが大切です。
例えば、若い世代の方であれば、SNS映えを一番に追求するでしょう。
しかし、他の顧客によっては製造過程の衛生管理などに価値を感じる場合もあります。
顧客がどこに価値を置いているのかを分析する必要があります。

Customer Cost(顧客コスト)

コストは経済面だけを指すものではなく、時間的、心理的な意味も含まれることに気付く必要があります。
同じ品質、同じ量のタピオカドリンクを購入する場合、列に長い時間並んで買うよりかは、より短い時間で買えるタピオカドリンクのほうが顧客はお得に感じるはずです。
顧客が経済的だけではなく、時間的、心理的に納得できるコストとなっているか、確認をしてみることが大切です。

Convenience(利便性)

購入するまでが一連の流れとなってスムーズに完了しているのかを分析することです。
タピオカドリンク店の場合、実店舗での対面販売だけではなく、デリバリー販売なども選択肢として検討する必要もあります。
支払い方法も現金だけではなくクレジットカードや交通系ICカードでの支払いなどがあれば、より便利となります。
B2Bの場合には、企業内で会議などを行い、決済を取る必要があると予測できます。
相手側がかける手間を見越して、決済を取る上で必要な書類を事前に用意しておくことも顧客側に喜ばれるかもしれません。

Communication(コミュニケーション)

顧客に対して有益な情報を発信できているのかを考えます。
例えば、タピオカドリンクを買いに来た顧客に対して、キャンペーンや新商品の紹介をすることも一つのコミュニケーションです。
B2Bの場合で考えると、担当者同士の交流会を開催したり、製品の定期メンテナンスの案内メールなども方法の一つと言えます。

まとめ

マーケティング戦略のフレームワークで有名な4P分析と、そこから派生して生まれた4C分析について解析してきました。
2つの言葉は似ていますが、4P分析は売り手視点での分析、4C分析は買い手側視点での分析と違う角度からの分析となっております。
現代のマーケティング戦略は顧客視点で考える必要があるので、4P分析だけではなく、4C分析を行うことで効率的に製品を売っていきましょう。
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