あなたは知っていますか?意外と知らない通販の歴史


2020年は、新型コロナウイルスの影響で今まで以上に通信販売の利用が多くなったという人が増加したのではないでしょうか?
また、通信販売利用者が増えただけではなく、同時に新型コロナウイルスによって、ネット上に新たな販売経路を作る必要を迫られた企業やお店も多く、

総務省統計局の統計(令和2年9月7日)によると

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛、在宅勤務の増加等により、ネットショッピングの利用状況には大きな変化が見られました。また、緊急事態宣言解除後の6月においてもネットショッピングを利用する世帯の増加基調は変わらず、年齢階級による違いもあまり見られないことなどから、支出金額においても更に増加する

といった、外出自粛要請~以降における市場予測が発表されています。

新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング-家計消費状況調査の結果から-から引用。

生活により身近になった通販ではありますが、そもそも通販っていったいいつから日本にあって、誰が一番最初にやり始めたのかという質問にしっかり答えられる人って少ないのではないでしょうか?
今回は日本の通販の歴史について解説してまいります。

日本の最も古い通販は1876年

日本の通販の歴史を遡ると、1876年(明治9年)に農学者・津田仙が学農雑誌局発行の農業雑誌上でアメリカ産のトウモロコシの種を販売したことが日本初の通販と言われています。
その後、津田仙は玉ねぎ、キュウリのような野菜の種やクルミ、リンゴ、イチゴといった果実の種にも通販の幅を広げていき、次第に津田仙の通販の噂を聞きつけた周りの種苗業者の人たちが通販を真似るようになった結果、明治時代は種苗業が大きく栄え、色々な野菜や果実が全国に広がっていったというわけです。
通販は明治時代の人の生活にも大きな変化をもたらし、文明開化の一端を担っていたということがわかりました。

高島屋、三越も通販事業を開始

1899年になると、現代でも有名な大型百貨店である高島屋や三越伊勢丹ホールディングス(当時、三井呉服店)も通販事業を行う地方係を設置し、通販事業を発足しました。
1900年代に入ると通販カタログが創刊されていき、商品情報だけではなく、小説や風俗批評、実用情報などが掲載されており、今でいう週刊誌のような役割もしていたそうです。
これぐらいの時期まで「郵便利用商店」「発送営業」「郵便注文営業」といった名称で呼ばれていたのがようやく通信販売という現代の名称で定着し始めました。

新聞社や出版社も通販事業に参戦

1900年代は新聞社や出版社による、自社媒体を使った代理販売も活発化していきました。
1906年(明治39年)には報知新聞社、大阪毎日新聞社、出版社でいうと講談社、博文館新社、実業之日本社などが通販代理部を自社で設置したのです。
現代の通販とは違い、読者が希望する商品を代理で購入し、地方の読者に送り届けるという代理販売が中心でしたが、通販というものを全国的に拡大していく一役を担ってくれました。

1900年代には電話での注文が可能に

1900年代からどんどんと大きくなっていっている通販業界ですが、日本で初めて通販が行われてから35年後となる1911年(明治44年)に新しい商品受注の方法ができました。
それまでの通信販売は雑誌やカタログから郵便での受注が主流でしたが、三越呉服店(三井呉服店が1904年に社名を変更している)は電話での商品受注を開始したのです。
また、翌年には頒布会の始まりとなる、「みつこしおもちゃ会」を発足し、毎月違うおもちゃを会員限定で届けるということを始めました。
頒布会って何?って思われる方もいるとは思いますが、毎月同じものが届くのが定期購入、毎月違うものが届くのが頒布会です。
頒布会をわかりやすくイメージしてもらうなら、毎月違うパーツが届く「ディアゴスティーニ」のようなものも頒布会に該当します。

第二次世界大戦の影響

1930年代には、現代では当たり前となっている、有名人を起用した広告で売り上げを伸ばしていくといった販売促進が初めて行われ、どんどん成長していった通販事業。
しかし、1939年(昭和14年)9月に第二次世界大戦が勃発し、1940年代に入ると、戦争の影響による物資統制などで自由流通が制限されはじめ、通販は一旦終息してしまいました。

戦争からの復興と高度経済成長

戦後に入ると、通販を休止していた高島屋やそごうといった百貨店、主婦の友社などの出版社が通販を再開したことや、高度経済成長に伴う消費拡大と消費者ニーズの多様化を受け、一気に通販事業は拡大していきました。
1960年代には人々の生活レベルが上がっていくにつれ、それまでに比べて教育や趣味に費やすお金が多くなっていき、1969年(昭和43年)に国民総生産が世界第2位の経済大国へと成長していく中、多くの消費を取り込もうと通販に取り組む企業は急速に増えていきます。
1970年(昭和44年)にはフジテレビの「東京ホームジョッキー」という生活情報番組で、日本初のテレビショッピングとなる「産地直送バーゲン」という企画で商品を紹介するコーナーが始まります。
ちなみに日本初のテレビショッピングの通販商品はメキシコ産のインテリアランプだったと言われています。
その後も1971年(昭和45年)には東京12チャンネル(現テレビ東京)の「こんにちは!奥さん2時です」で高島屋が商品紹介のコーナーをスタート、翌1972年(昭和46年)には日本教育テレビ(現テレビ朝日)「奈良和モーニングショー」でもテレビショッピングを開始。
現在のテレビキー局の多くがこの時期にテレビショッピングを手掛け始め、影響力の大きいテレビの存在が通販事業を一気に加速させていきました。

インターネットの普及によりネット通販勃興期へ

1995年3月にYahoo.com、7月にはAmazon.comが米国でオープンし、11月に日本でWindows95が発売されると、国内でインターネットがどんどん普及していき、通販はネット通販が主流の時代に突入していきます。
今までのテレビショッピングやカタログ通販などには参入していなかった、食品業界や製薬業界の大手メーカーによる通販参入が相次ぎ、1996年にはヤフー株式会社、1998年にアマゾンジャパン株式会社がそれぞれ日本に設立されました。
1999年にはEストアーがホームページにショッピングカート機能を組み込めるサービス「ストアツール」の提供を開始し、自社ECサイトを簡単に開設できるようになりました。
このことにより、大手企業だけでなく、中小企業、個人経営のお店でもECサイトを作ることができ、さらなるネット通販市場の活性化に繋がっていったのです。
2000年代に入るとユニクロやユナイテッドアローなど、大手アパレルがECを開始したり、「にんにく卵黄」、「セサミン」、「皇潤」といった健康食品が大ヒットしたりと全てを列挙していくとキリがないほどに、ネット通販は急速に拡大していきます。

ネットショッピング成長期

2001年、アマゾンジャパン株式会社が出店型の販売形式として、Amazonのサイトを使って出品者(個人または企業)が商品を販売できるサービス「Amazonマーケットプレイス」を開始します。
自身でECサイトを立ち上げる必要もなく、Amazonという信頼性が高いプラットフォームで手軽に商品が販売できるので、ネット通販事業を開始する業者はさらに増えていきました。
2009年には楽天市場も翌日に商品が届くサービス「あす楽」、Amazonが当日配送サービスを開始し、注文してから商品が手元に届くまでの時間が実店舗で購入するのとあまり差が生じなくなり始めました。
会社や学校に行っている間の休憩時間に商品を購入し、帰宅後や翌朝には商品を受け取る利用者が増え、EC業界は商品の豊富さや価格だけでなく配送スピードも競い合うようになってきました。
2015年には受け取りサービスが充実し始め、再配達の必要がなくなるポストインでの配送サービスや、コンビニ受取りサービス、不在でも受け取れる宅配BOXなどが充実。
受け取り時間に在宅していければいけないというストレスも無くなり、ユーザーはより気軽に注文できるようになりました。現在の通販とほぼ変わらない環境が整ってきたのです。

このように日本経済の転換期には常に通販事業が関わっており、インフラが整備されていくのと同時に通販もどんどん成長し、消費者にとって欠かせない購買手段の一つになっています。

現在、新型コロナウイルスの影響で、私たちの生活様式が大きく変わり、日本経済の転換期になっていると思います。
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